MENU
CLOSE

カンダまちおこし株式会社KANDA MACHI OKOSHI CO.,LTD.

©2022 KANDA MACHI OKOSHI CO.,LTD.

PROJECT DATA

白川村「次世代観光ガイドシステム」開発実証事業

「ローカル5G」技術を活用し
観光客の滞在時間の延長と場所の分散を促進する

エリア
大野郡白川村
対応期間
2020年
事業内容
観光マーケティング(DMO)支援事業

地域の概要

岐阜観光のシンボル、世界遺産・白川郷の
合掌造り集落が経済を支える

岐阜県の西北端の村、白川村。世界遺産・白川郷の合掌造り集落を有しています。村の人口はおよそ1,600人。うち約7割が観光産業に従事し、村の経済を支えています。

コロナ前は年間200万人を超える観光客が訪れていた、岐阜県の観光のシンボルといえる地域です。

写真:当社撮影(2020)

課題

オーバーツーリズム克服に向けて

世界遺産の合掌造り集落を有する岐阜県大野郡白川村では、新型コロナ感染拡大前、村には平均して1日に村内人口の約3倍以上の観光客が訪れていました。観光客による混雑やマナーの乱れなど、地域住民の生活や自然環境に負の影響が発生していました。

白川村の「本通り」に集中する観光客。新型コロナウイルス感染拡大前の状況
(引用元:https://www.japanbullet.com/ )

オーバーツーリズムとは、「特定の観光地において、訪問客の著しい増加等が市民生活や自然環境、景観等に対する負の影響を受忍できない程度にもたらしたり、旅行者にとっても満足度を大幅に低下させたりするような観光の状態を表す」と定義されています。[平成30年版「観光白書」P.111より]

観光地に住む住民は観光産業から主たる収入を得ていることが多く、観光客の増加は本来望ましいことです。ただし、観光客が増えすぎることによって市民生活に支障が生じる、あるいは待ち時間が増えたり提供される生活関連サービスの質が低下したりし、結果として満足度が下がります。すなわち、オーバーツーリズムの状況とは、観光客の満足度と住民の満足度が両立しないことを指します。

解決策

観光客の位置情報に応じて
リアルタイム観光ガイドを配信

白川村におけるオーバーツーリズムの緩和策として、同村に設置されたNTTドコモのキャリア5Gエリアを活用。観光客の位置情報に応じた高精細でリアルタイムなコンテンツ配信「次世代観光ガイドシステム」を構築し、観光客の集中する時間や場所の分散と消費喚起を促す仕組みを提案しました。

次世代観光ガイドシステム(イメージ図)

この提案は、総務省の令和2年度「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」として採択を受け、同年に「次世代観光ガイドシステム」の実証試験を実施しました。

総務省 令和2年度「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」報告書ページはこちら

次世代観光ガイドシステム(写真出所:SankeiBizホームページ)

成果

観光名所巡りが分散化し、
滞在時間を+15分延長、リピーターは+39分延長に成功

観光客の位置情報に応じて高精細なライブ映像や4K動画等をプッシュ配信するシステムを開発し、2020年12月に白川村を訪れた観光客93組にモニター参加を依頼し、システムの効果を実証。その結果、地理的な分散効果を確認するとともに、観光滞在時間を延ばすことに成功しました。

  1. 実証実験で得られたGPSデータで観光客の軌道を分析し、観光客の誘導等、地理的な分散効果があることを確認しました。

    滞在時間延長効果のイメージ(筆者作成。総務省実証事業につき総務省に帰属します)

  2. 次世代観光ガイドシステムを活用した観光客の滞在時間を+15分延長する効果が得られました。特に、白川郷に2回以上来たリピーターに限ると、+39分延長する効果が認められました。

    滞在時間延長効果のイメージ(筆者作成。総務省実証事業につき総務省に帰属します)

ポストコロナに向けて

2022年秋より、新型コロナによる国境をまたぐ移動の規制が緩和されました。コロナ後のツーリズムは消してコロナ前と同じ世界線ではありません。団体旅行から個人旅行へ、量から質へ、といった不可逆な変化をはらみつつ、人口がいち早く減少し人手不足が先に顕在化してきているローカルな地域が、いかに持続可能な観光地づくりを進めていけるか。

こうした課題に早くから向き合ってきた当社ならではのソリューションを提案してまいります。

お問い合わせ

CONTACT US

ご相談や講演・視察・取材の依頼は
こちらから。