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カンダまちおこし株式会社KANDA MACHI OKOSHI CO.,LTD.

©2022 KANDA MACHI OKOSHI CO.,LTD.

PROJECT DATA

1億円集めた!!「#おうちで飛騨牛」
クラウドファンディング

プロジェクトを通じ、
「地産近消」ビジネスの可能性を定量化

エリア
飛騨地方[高山市、飛騨市、下呂市、大野郡白川村]
対応期間
2020年~(進行中)
事業内容
ソーシャルインパクト投資事業

地域の概要

認知度ナンバー1のブランド和牛
「飛騨牛」

岐阜県を訪れる観光客の「認知度」「満足度」ともにNo.1の「飛騨牛」。当社グループは2020年4月のコロナ禍の中、オール飛騨で取り組む「#おうちで飛騨牛プロジェクト」をコーディネートしました。

このプロジェクトでは2000年4月29日~5月10日までの約10日余り、購入型クラウドファンディングを実施。集まった総資金額は1億14百万円、支援者数は10,002人に達し、業界最大手プラットフォームCAMPFIREにおいて総支援額歴代3位、支援者数歴代2位の記録[当時]となりました。

CAMPFIREウェブサイト (https://camp-fire.jp/projects/view/265287

課題

コロナ禍で観光客が激減、
「飛騨牛」の市場価格が大暴落

岐阜県が総力を挙げて付加価値向上に長年取り組み、ブランド化に成功した「飛騨牛」は、2020年初頭に始まった新型コロナウイルスの感染拡大により市場価格が暴落。生産者・精肉店をはじめ業界全体が大ピンチに陥りました。

理由は観光需要の消滅。感染拡大により飛騨地方を訪れる観光客は激減し、外国人の入り込みはほぼゼロに。それをきっかけに相場は一気に崩れました。

下図は飛騨ミート卸売市場の2019年12月~2020年4月の市況です。A5等級の和牛1kgあたりの取引価格は、昨年12月には4,000円弱をつけていたものが、3か月余りで2,000円代前半まで、およそ45%も値下がりしました。

図 飛騨ミート卸売市場の市況相場(2019年12月~2020年4月) (和牛 去勢 A-5、円/1kgあたり、出所:JA飛騨ミート)

解決策

複数のステークホルダーの合意形成を紡ぎ
「オール飛騨」チームを結成

相場の急変を受け私たちは、ネット通販に強い飛騨の地域商社「ヒダカラ」[株式会社ヒダカラ | 飛騨からあふれるタカラモノ]と連携し、JAひだ[飛騨農業協同組合]に飛騨牛をリターン品とする購入型クラウドファンディングの立ち上げを提案しました。                    

JAひだは卸売市場において売り手となる生産者団体「飛騨肉牛生産協議会」[生産者 60名]と、買い手となる精肉店の団体である「飛騨食肉事業協同組合」との調整を進め、金融機関としていち早くクラウドファンディングに取り組んでいる飛騨信用組合[飛騨信用組合]をチームに招集。金融機関の系列や業種を越えて「オール飛騨」のチームを組成し、2020年4月29日[ニクの日]にクラウドファンディングをスタートさせました。飛騨3市1村の首長が動画による応援メッセージを配信、十六フィナンシャルグループは、広報・プレスリリース、特に在名TV局の誘致対応等で協力しました。

成果

12日間で1万人・1億円の
クラウドファンディングが成立

短期間で多くの関係者を巻き込み、オール飛騨の運営態勢を構築するとともに、分かりやすいハッシュタグ「#おうちで飛騨牛」が拡散し、12日間で1万人・1億円の結果を残し、「CAMPFIREクラウドファンディングアワード2020最優秀賞」に選ばれました。

 プラットフォーム CAMPFIRE
募集時期 2020年4月29日7時~2020年5月10日23時59分
支援者数 10,002人
支援金額:114,370,014円 
※支援者数は歴代2位、支援額は歴代3位

 

飛騨牛の卸売り価格の下落に歯止め

飛騨地方の飛騨牛の生産能力は月産500頭に上り、クラウドファンディングで吸収できたのは1か月分の生産能力の約5%にすぎません。しかし、支援者の想いが数値として見える化されたことで精肉店の買い意欲の刺激につながり、相場は4月23日の1kgあたり2,241円を底値に、クラウドファンディングが始まると卸売価格は反転しました。5月から岐阜県による補助金も始まったことでさらに安心感が広がり、6月末の市況は、昨年12月対比で26%を取り戻し、昨年末からおよそ8割の価格水準まで回復しました。

 

東海地方をターゲットにした
「地産近消」ビジネスの妥当性を定量化

今回のクラウドファンディングにおける、都道府県別の支援口数を分析すると、「飛騨牛は名古屋圏で首都圏の6倍以上愛されている」ことがわかりました。名古屋圏(東海3県)の支援者は全体の半分を超え、東京圏の総需要の2倍以上を占めていました。東京圏の人口はおよそ3,610万人、名古屋圏の人口は1,130万人であることから、名古屋圏は東京圏の1/3以下しか人口がないにも関わらず、飛騨牛を東京圏の2倍以上買ったことになります。すなわち、名古屋圏の人々に対する飛騨牛のブランド訴求力は、東京圏の人々に対するそれの6倍以上であることを示しています。

地方の自治体や金融機関は「東京圏で売れる」ことを良しとし、首都圏の百貨店や高級スーパーのバイヤーと出会う商談会を勧めてきた、いわば「地産遠消」を目指してきた傾向があります。しかし、このクラウドファンディングで明らかになったことは、岐阜県産品のブランドは首都圏よりもその6倍のブランド価値を感じてくれる東海3県の人々がターゲットとして最適であること、すなわち「地産近消」が最適解であることを示したことにあります。

こうしたことについてまとめた論文は、地方シンクタンク協議会「論文アワード2020」総務大臣賞を受賞しました。
http://www.think-t.gr.jp/pdf/award_01.pdf

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