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カンダまちおこし株式会社KANDA MACHI OKOSHI CO.,LTD.

©2022 KANDA MACHI OKOSHI CO.,LTD.

PROJECT DATA

白川村・地域の経済循環を高める
6次産業化事業の構築

「白川郷コシヒカリ」ブランド化、
土産菓子「ゆいのわ」開発プロジェクト

エリア
大野郡白川村
対応期間
2020年~(進行中)
事業内容
観光マーケティング(DMO)支援事業

地域の概要

世界遺産・白川郷の合掌造り集落は
岐阜観光のシンボル

岐阜県の西北端の村、白川村。世界遺産・白川郷の合掌造り集落を有しています。村の人口はおよそ1,600人。うち約7割が観光産業に従事し、村の経済を支えています。

コロナ前は年間200万人を超える観光客が訪れていた、岐阜県の観光のシンボルといえる地域です。 

写真:当社撮影(2020)

 

課題

白川郷の強い集客力が
「稼ぐ力」に直結できていない

コロナ前の観光消費額は約49億円と推計され、これは白川村における観光客1人あたり消費額が2~3千円程度と少額にとどまることを示していました。一方RESAS(地域経済分析システム)によれば、地域経済には最大の20億円の漏出[リーケージ]があることが推計されていました。これは、地域で販売される土産品等の大半が、地域外からの移輸入品であることを意味しています。

観光消費額を増加させ、地域内での経済循環を改善することが、白川村の直近の使命といえます。

出典:RESAS[地域経済分析システム]

盛んなコメ作りをアピールできていない

一般的に農山村の経済活性化策として、生産、加工、販売を一気通貫で手掛ける「6次産業化」が処方箋とされます。ところが、多くの農山村において6次産業化は高い確率で失敗に終わるのも事実。白川村は人口規模が小さいため製造拠点の誘致が難しく、さらに主要な1次産品は「コメ」のみ。そのような悪条件から、どのようにして実効性のある六次産業化策をとることができるかが課題でした。

とりわけ、主要産品のコメは、主品種コシヒカリのほぼ全量が農協に出荷され、高山市や飛騨市のコメと混ざって「飛騨コシヒカリ」として貯蔵されていました。白川村でコシヒカリが栽培されているにもかかわらず「白川郷コシヒカリ」ブランドは実現していなかったのです。

「流通構造」出所:当社作成

解決策

「白川郷コシヒカリ」
ブランド化プロジェクト

白川郷コシヒカリを実現するために、JAとの関係構築や意向確認を進めると同時に、高山市の「高山米穀協業組合」に白川郷コシヒカリの分別保管を要請。理事長の快諾を得て、令和元年度産のコシヒカリ1.2tより、分別保管の仕組みがスタートしました。

複数のステークホルダーの合意形成を丁寧に紡ぎ、高山米穀との協働により、念願の地域ブランド品「白川郷コシヒカリ」が誕生したのです。

ふるさと教育の一環として行われた
土産菓子「ゆいのわ」開発プロジェクト

観光産業と高い親和性がある「食」に関連し、特に観光客の消費を誘引しやすい「土産菓子」に焦点をあて、白川村役場と小中一貫の義務教育学校・白川村立白川郷学園を起点とし、6次産業化商品の開発に取り組むこととなりました。

具体的には、「大地のおやつ[大地のおやつオンラインショップ]」シリーズで知られる合名会社山本佐太郎商店[岐阜市]と連携。2019年春より、村の歴史や文化を学び村の未来の担い手育成を目指すふるさと教育「村民学」の授業の一環として、白川郷学園8年生[中学2年生]の生徒たちと1年かけて商品開発しました。その結果、2020年3月、白川郷のおやつ「ゆいのわ」を上市しました。

「ゆいのわ」は、売上の1%が白川村の教育のために寄付される仕組みをとっています。

白川郷学園8年生の生徒たちとのキックオフ[2019年5月、白川郷学園にて撮影」

成果

コメはふるさと納税返礼品に、
菓子は村人に愛される存在に

「白川郷コシヒカリ」ブランド化プロジェクト

白川郷コシヒカリは以降の年度でも毎年収量を確保、白川村のふるさと納税における定番商品として、定着しています。

土産菓子「ゆいのわ」開発プロジェクト

2020年3月に上市した「ゆいのわ」は、村の子どもたちが開発に加わった菓子ということで、村の多くの土産店で取り扱い開始となりました。土産菓子の一般的な商慣習が委託販売であるのに対し、「ゆいのわ」は買取のみとしましたが村の土産店から支持され、コロナ禍での船出であるため順調とはいえないまでも、地元が支持する商品として1年半にわたり販売を続け、高い評価を得てきました。

2021年秋、長引くコロナ禍で、ゆいのわの製造元である大阪市の菓子メーカーが事業継続を断念、製品供給がストップしてしまいました。村からは早期の製品供給再開を要望されており、現在は山本佐太郎商店と協働し、新たな製品供給に向けた態勢の再構築を進めています。

白川郷のおやつ ゆいのわ 写真提供:合名会社 山本佐太郎商店

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